プログラム

「マブイ特別賞」上映

写真撮影:村中修

『パラダイスビュー』
監督:髙嶺剛
1985/117分/日本/沖縄語・日本語/FHD
日本復帰直前の沖縄。失業中のレイシュー、彼に思いを寄せるチルー、東京からきたイトーという植物学者らが暮らす村。ある事件でレイシューが行方をくらましてしまい…。沖縄のもつ歴史と風土や慣習などを自在に解釈しなおしたトロピカル・ファンタジー。寓意と夢幻に満ち満ちた世界とアメリカ世からヤマト世の狭間でさまよう沖縄の迷宮を描く。YMOの細野晴臣が出演し、音楽も担当。ベルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門などに出品された記念すべき長編劇映画初監督作品。

<監督プロフィール>
髙嶺剛
1948年沖縄の石垣島川平生まれ。高校卒業まで那覇で過ごしたあと、国費留学生として京都教育大学特修美術科に入学。その頃から8ミリ映画を撮り始める。ジョナス・メカスに私淑し、日本復帰前後の沖縄の風景を凝視した初長編監督作品『オキナワン・ドリーム・ショー』(1974)を制作する。1985年初の長編劇映画『パラダイスビュー』完成。ベルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門をはじめ、10数ヵ国の映画祭に出品。『ウンタマギルー』(1989)でベルリン国際映画祭カリガリ賞、ナント三大陸映画祭グランプリ、ハワイ国際映画祭グランプリ、日本映画監督新人賞など国内外の映画祭で多数上映、受賞し、全編沖縄語で展開される新しい表現を生みだした作家として世界的に注目される。1998年には沖縄を代表する民謡歌手の大城美佐子を主演に迎え、『夢幻琉球・つるヘンリー』を市民プロデューサーシステムでデジタル撮影をいち早く取り入れて製作。2016年の『変魚路』は、18年振りの劇映画作品となる。